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CROSS TALK

SWaC®プロジェクトトーク
水インフラの未来を切り拓く、DXの挑戦
—現場×クラウド×AI。
「止めてはいけない水」のリアルトーク

OVERVIEW

近年、人口減少や施設の老朽化といった課題を背景に、水インフラの維持管理における人手不足が深刻化しています。こうした状況を打開するため、水ingではクラウド・IoT・AIを活用し、現場の運転管理を支援する統合型プラットフォーム「SWaC®(スワック)」を開発。水処理施設のデータをリアルタイムに収集・可視化し、異常予兆の検知や遠隔監視・操作による業務効率化を実現しています。

新潟県某市の水道DX化では、このSWaC®を活用して、老朽化した遠隔監視システムを刷新。クラウド型の新システムへの移行、通信機器の設置、施設ごとの運用に即したカスタマイズなどを通じて、14の施設をネットワークで連携させました。

本トークでは、こうした最前線の現場を支えるメンバーたちが、異なる職種の立場からどのように連携し、水ingのチームとして社会課題に挑んでいるのかを語ります。

CAST

2018年入社 Y・T
電気計装技術職

浄水施設やポンプ場などの電気設備設計・施工管理に従事。新潟県某市の水道DX化では、現地の配線や制御盤の改修、試運転などを担当。図面と現場の違いに柔軟に対応する高い現場力と責任感を武器に、電気の視点から水インフラの安定運用を支えている。

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2022年入社 I・E
クラウド・システム
技術職

水インフラのDXを支える情報プラットフォーム「Sustainable Water Cloud🄬(以 下 SWaC🄬)」の開発・設計・導入を担う。遠隔監視や遠隔監視・操作などを可能にする仕組みを、現場視点とデジタル技術の両面から構築。UI・UX設計やベンダー調整、顧客への導入も手がけ、クラウドと現場をつなぐ設計力で高い連携を実現している。

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2017年入社 P・S
AI開発職

水処理施設の自動運転を目指し、AI・機械学習モデルの開発に取り組む。漏水検知、水質予測、薬注制御などのモデル構築と、現場への実装・検証までを一貫して担当。現場データに基づいた高度なAI活用で、社会インフラの持続可能性を支えることを目指している。

水インフラDXの突破口、
SWaC®プロジェクトの始動

CROSS TALK 01

I・E

最初に、それぞれがどのように水インフラのDX化に関わるようになったのかを話していきましょう。

SWaC®は、水インフラの遠隔監視や遠隔操作などを可能にする、DX推進の土台となる仕組みです。私はその構想が立ち上がった段階から機能開発に参加し、今は導入やベンダー調整も担当しています。

私は「水インフラをデジタル技術で支えたい」という思いから水ingを志望したこともあり、まさにその中心にあるSWaC®という情報プラットフォームの開発に関われることに魅力を感じています。

Y・T

私がDXに関わるようになったきっかけは、後ほどお話しする新潟県某市のDX化への参加でした。

上司が主導するこの案件に現場対応の応援として加わり、これまで経験のなかった「電気設備をクラウドで管理するための改修」を任されることになりました。

当初は、自分の業務がDXに関係するとは思っていませんでしたが、取り組みを進める中で、水インフラとDXが現場レベルで深く関わっていることを実感しました。

P・S

私の立場は少し異なり、AI開発の観点から水インフラのDX化に参画しています。具体的には、浄水場の自動運転を目指したAIモデルの開発です。

水量や水質の予測、薬注制御など、運転の自動化や運転条件の最適化が求められる領域において、SWaC®は必要なデータの統合・収集基盤として機能しています。現場と研究の接点に立てることに強い意義を感じています。

困難の先にある達成感。
現場も、技術も、乗り越えて。

CROSS TALK 02

I・E

DXと一言で言っても、現場への導入には多くの試行錯誤が伴います。私とY・Tさんは、昨年、新潟県某市の水道のDX化を進めるプロジェクトに関わりましたが、そこでも様々な困難に直面しました。

まだ社内でもSWaC®の導入が本格的に動き始めた段階で、部門間連携などの仕組みを整備しながらの挑戦でした。ここでは、その時に感じた現場での難しさについて共有したいと思います。

Y・T

今回のプロジェクトは、この地域に住まわれている住民の皆様に影響を出さないようにするため、すでに稼働中の水処理施設の運転を止めずに、システムをクラウド対応へと切り替えていくものでした。

その中で私が担当したのは、冬季の現場対応です。雪が降る厳しい環境の中で通信機器を設置し、図面と実際の設備の違いを一つずつ手作業で確認・調整していく必要がありました。運転を継続したままの作業は想定外の事態も多く、自分の判断と対応力が求められる場面ばかりでした。

「現場を止めてはいけない」という強い責任感のもと、現場での柔軟な対応を意識しながら取り組みました。

P・S

その姿勢には共感します。私も過去に、別の水処理施設を対象としたAI実装プロジェクトで、理論と現場のギャップに直面した経験があります。

薬注制御のAIモデルを現場に導入した際、設計通りに動作せず、残塩濃度を維持できないという課題が発生しました。そこで1ヶ月ほど現場に滞在し、運転員の操作パターンを丁寧に観察しながら、AIモデルを実情に合わせて改善しました。

現場に合った形に最適化することの重要性を、身をもって実感しました。

I・E

私の場合は、電気設計との信号連携です。クラウドから送った信号が、現場の設備を正しく動かすかどうか、その一連の設計と動作検証に非常に神経を使いました。最終的に、現場でポンプが正しく起動した瞬間、設計と実装が結びついたと実感しました。

異なる専門性を持ったメンバーが、
ひとつのチームになる。

CROSS TALK 03

P・S

私たちが取り組んだ新潟県某市の水道DX化では、SWaC®という共通の情報基盤のもと、異なる専門分野の技術者が連携しながら現場対応を進めました。

水インフラのDXを実現するためには、こうした横断的な連携が欠かせません。それぞれの視点から、連携の中で感じたことを教えてください。

I・E

私は特にY・Tさんとの連携が印象に残っています。

クラウド側から送る信号が、現場の電気設備に正確に届いて意図した動作につながるかどうか。最初は現場設備の勝手がわからず、完全に手探りの状態からのスタートでした。

「この信号で本当にポンプが動くのか?」「このタイミングで送って問題ないのか?」と、確認とすり合わせを何度も繰り返しながら、徐々に連携の精度を高めていきました。

Y・T

そうですね。最初の頃は、I・Eさんから来る信号の意図を推測しながら、これは“このポンプを動かせ”という指示か、と考えて対応していました。

現場での配線状況や機器の制御ロジックを確認しながらの作業だったので、頭と手をフル回転させる場面が多かったです。ただ、その都度やり取りを重ねることで、相互理解が深まり、設計と実装の連携が徐々にスムーズになっていきました。

I・E

試運転の時に、実際に信号を送ってポンプが動作した瞬間は、本当に「つながった」と感じましたね。クラウド側では動作結果が見えづらい部分もあるので、Y・Tさんが「今、動きました」と教えてくれた時の安心感は大きかったです。

Y・T

現場としても、クラウド側での信号処理や調整の柔軟さには助けられました。「現場でどう動かすか」「操作する人にとって扱いやすいか」といった視点をお互いに持っていたからこそ、うまく連携できたのだと思います。

P・S

そういったやり取りの積み重ねが、結果的にAIモデルやデータ構造設計の安定にもつながったと感じています。システム全体が滑らかに動くためには、それぞれの領域を尊重しながら連携する姿勢が不可欠ですからね。

広がるSWaC®の未来。
実績を次のステージへ

CROSS TALK 04

Y・T

次は、SWaC®の今後の展開について、それぞれが感じていることを共有してみましょう。

私は、新潟県某市のような現場を通じて得られた知見を、どう次に活かすかが鍵だと思っています。設置や運用の標準化など、スケーラビリティを意識した展開が必要だと感じています。

I・E

確かにそうですね。新潟県某市の水道DX化を通じて、他の自治体や業界関係者からSWaC®への関心が高まっているのを実感しています。

「クラウドで水インフラの監視や制御までできるのか」と驚かれることも多く、実際に導入可否の検討相談も増えてきました。

水インフラ分野では、こうしたクラウド活用はまだ前例が少なく、現場の設備や運用とのすり合わせが難しいため、技術的・制度的なハードルは依然として高いと感じています。

そうした中で今回のプロジェクトは、未知の領域に踏み出す“先行事例”として、道を切り拓く一歩になったと感じています。

P・S

AI開発の観点でも、今回の新潟県某市の水道DX化で得られたデータは非常に貴重です。特に、水処理の運転状況や制御結果といった詳細なデータが一元的にクラウドに集約されたことで、漏水検知や薬注制御といったAIモデルの精度向上に直結しています。

こうした実運用に基づくデータをもとにモデルを洗練させることで、他地域・他施設への汎用展開も現実味を帯びてきました。AIを活用したDX化を進めていく上でこのプロジェクトは確かな実証データの土台となると確信しています。

これから挑戦したいこと。
そして未来の仲間へ。

CROSS TALK 05

Y・T

では今後それぞれが取り組んでいきたいテーマについてお聞かせください。

P・S

私は引き続き、AIを活用した水インフラの自律化を推進していきたいと考えています。モデル開発だけでなく、現場実装まで責任を持つことにこだわり、社会全体の持続可能性に貢献できる仕組みづくりを目指しています。

I・E

私は、デジタル部門の専門性をさらに磨き、水インフラDXを広げていく基盤を強化したいと考えています。

ネットワークの安定性は、自治体が「本当に止まらずに動くのか」という不安を抱く要因の一つです。もしその信頼性を実証できれば、導入のハードルが大きく下がり、より多くの地域にDXが広がります。結果として、全国で安定した水の供給を実現し、社会全体の安心につながると考えています。

Y・T

私は、現場のリアルな状況をシステムにどう反映させるかという「橋渡し」の部分に引き続き取り組んでいきたいです。現場の経験をもとに、「この制御は本当に役立つのか」と問いながら、現場視点を持った設計提案ができる技術者でありたいと思っています。

Y・T

では最後に、未来の仲間へのメッセージを一人ずつ伝えて締めましょう。

P・S

水ingに入社する方には、常に学び続け、挑戦し続ける姿勢を大切にしてほしいです。AIやインフラ分野は常に変化していくので、自ら考え、自ら動ける人材が活躍できると感じています。

Y・T

私は、自分の専門にこだわりすぎず、さまざまな分野に興味を持てる方に来てほしいです。現場で得られる学びは多く、それをどうシステムに還元できるかを考えられる人に、ぜひ加わっていただきたいですね。

I・E

私たちの部署では、水インフラとデジタルという異なる世界をつなぐ役割が求められます。「わからないことを恐れず、どんどん質問できる人」、そして一緒にチャレンジし続けてくれる方を、心から歓迎したいと思います。

JOBS

職種紹介

地域の未来をみずから創る、水ingの各職種を紹介します。あなたの未来を描く仕事とであってください。

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インタビュー

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