K.K
研究開発
入社年度:1999年
INTERVIEW
Q.入社してから今までの仕事内容を教えてください。
研究開発センターには大きく分けて2つのミッションがあります。1つは「新しいプロセスを考える研究開発」、2つ目はお客様との関わりの中でサンプルの水質分析や処理試験、社内向けのアドバイスを行なう「設計部門の支援業務」。
試運転のサポートという形で現場に出張に行くこともあります。その中で、私の業務の割合としては1つ目の研究開発が多くを占め、下排水処理における窒素除去やメタン発酵の機能向上や、シミュレーションを用いた運転管理システムの開発に取り組んでいます。2つ目の支援業務として下水処理や民間のメタン発酵設備も担当しています。
入社後3年間は社内の新しいプロジェクトを担当しながら開発業務の基礎的な経験を積みました。4年目から別の部門に異動し、排水系メタン発酵について全国各地のお客様の工場での現地試験や、実設備の試運転を担当して現在に続いています。それまで社内でのラボ実験装置が主体だった中、実際にお客様の生産プロセスを見て、実設備の試運転を経験したことは、技術や業務への理解や知見がより広がる良い経験でした。
社内での経験が3年ある中で、ある程度の知識を持って出向いたつもりでしたが、実際には実験装置の操作はできても知識面の不足を感じることが多く出てきました。
当時PCがそこまで発達しておらず情報が少ない中、改めて教科書を見直し基礎知識の見直しをすることや、現場の方々に聞いたり実際に足を動かすなどして学びました。その後現場での試験結果が認められ、実設備の試運転の立ち上げを行ないました。そこでは新たに得た知見を基に研究を深めることができたため、会社の了解を得て仕事と平行しながら社会人博士を習得しました。学会での発表も毎年のように行なっていますが、仕事に携わる上でモチベーションとなっています。
現在は今までの試運転現場での経験等を活かして、海外のメタン発酵設備の立ち上げをサポートしたり、維持管理部門と連携した開発テーマの取りまとめ、社会人博士取得時の知見を活かした研究成果の取りまとめや対外発表について若手の指導を行っています。
Q.入社後最も苦労したエピソードと、その結果を教えてください。
現地試験の結果をもとに、実設備を納入し、試運転までを対応したことが業務の中でも印象に残っている経験の一つです。
実設備でスケールアップをした際に、想定外の難易度が高い生物的トラブルがあり一筋縄ではいきませんでした。当時インターネットの普及が進み、最新の海外の論文等を自分で調べられるようになったため、同じような研究データを参考にしながら仮説と検証を繰り返しました。
設計部門や研究部門など関連部門と一緒に考えながら、仕事をまとめ上げることの重要さを知ることになりました。
また、この時に、上司からデータを集めて将来学会発表をしたらどうか、アドバイスを頂き、この経験を経て大学院(社会人博士課程)へ進学することになりました。
Q.仕事内容の魅力、他社との違いは?
学生時代、研究室に出入りしていた社会人研究院の方から、当時の荏原製作所のお話を聞く機会がありました。
特に私が魅力を感じたのは水処理だけでなく、ポンプや焼却、半導体といった幅広い分野を行なっていたことです。1つの業務を専門的に極めるというキャリアアップの形もありますが、私は色々な経験や知見を増やす中で水事業へ貢献したいという思いがありましたので、水ing(当時の荏原製作所)に勤めることで幅広い事業に携われると思いました。
上水や下水、民間工場、維持管理部門を持っており現場の方々と仕事ができるのが水ingの一番の魅力です。
また、自ら考え挑戦できる環境があります。データや根拠を提示して提案・行動することができれば新たなチャレンジも積極的に認めてくれる自由度の高い会社です。社内の資料室には業界紙や論文が多数揃います。勉強会やディスカッションの場を設ける等、積極的に挑戦していけば若いうちから経験できる可能性の幅も広いはずです。
学会発表の場があるというのは研究開発部門のモチベーションとなるだけでなく、会社としても業界の中での地位向上に繋がる貴重な場でもあります。