REPRESENTATIVE MESSAGE
REPRESENTATIVE MESSAGE
「水」を起点に、
新しい時代を切り拓く
水処理事業のパイオニアとして
当社グループは1931年に㈱荏原製作所として水道用国産急速ろ過装置第1号機を納入して以来、90年以上にわたり水インフラに関わる知見と経験を蓄積したパイオニア企業です。2010年には、三菱商事(株)と日揮ホールディングス(株)による新たな資本参加を得て体制強化を図り、新たなスタートを切りました。その際命名された『水ing』という社名には、当社が携わる水事業への想いや期待が込められています。今や全国3,000か所以上の水処理施設の設計・建設や、300か所以上の関連施設の維持管理を通じて人々の暮らしを支えるまでに成長した水ingにとって、『水』に関わる事業分野において優れた技術や新たなサービスが求められる機会が益々増えてくると確信しています。『水』に関する幅広い事業を具現化していくビジョンを表したのが、まさに『水ing』という社名です。
近年、SDGsの取り組みを見ても分かる通り、地球環境が抱える課題への関心は日増しに強くなっています。なかでも水資源に関わる問題は多岐多様にわたり、その解決は国内外を問わず社会生活にとって喫緊のテーマと言えます。日本の水処理技術は世界から大きな評価を得ていますが、その中でも豊富な実績・経験を持つ水ingは、次世代においても豊かな水資源の保全・循環を達成するためにその活動の幅を拡げていくことを目標に掲げ、日々取り組んでいます。
新たな分野との接点が、
水の未来を創っていく
水ingは、全国に広がる上下水道の水処理施設の維持管理業務を通じて、自治体を始めとする社会が直面する課題に触れる多くの機会を有しています。日本は既に人口減少の局面に入っていますが、それは地方の財政難や雇用確保の問題につながっています。今までのような右肩上がりの成長を基調とした取り組みではこれらの問題を解決することは難しく、まさに民間企業のノウハウも活用した新たな手法やアイデアが求められています。
こうした日本社会が抱える課題を解決するために、水ingができることは何か、地域社会で地道な活動を続けてきた水ingが、自治体を始めとする地域社会と協働することで、社会インフラを守り、地域の活性化に貢献できることはないか。その為に水ingとして新たに獲得すべきノウハウや専門性が何かを議論しながら様々な取り組みが始まっています。
そのひとつは、リンの循環です。下水や排水に含有されるリンは、放流先の水域の富栄養化の原因になることに加えて、排水配管内などに析出・付着して配管を閉塞させたり設備を破損させたりする原因にもなるため、除去しなければならない厄介な存在です。一方で、リンは農作物の育成には欠かせない成分でありながら、そのほぼ100%を海外からの輸入に頼っている物質でもあります。水ingは下水や排水からリンを析出除去する際の条件を調整して純度が高い化合物として取り出し、地方自治体や農家の方々などと協力しながら、これを地域の主要作物に最も適した肥料として提供すべく検討を重ねてきました。循環型経済につながるこうした地道な取り組みを通じて、地域の水処理業務に留まらず、農業や教育といった新たな分野との接点が増えつつあります。この活動はようやく始まったばかりですが、当社グループが目指す地域社会への貢献を実現する一つの形だと考えています。
水ingが目指す、
2050年の街づくり
水ingの中長期計画には、「2050年の街づくり」というテーマがあります。人が暮らす場所には、必ず生活を支える水資源の循環とインフラ整備が必要です。この水インフラを起点に、我々の活動の幅を拡げていく為に何ができるか、「2050年の街づくり」というテーマで水ing事業のあるべき姿を議論しています。世界中を覆ったコロナ禍で社会が理想として求める社会生活の在り方や重視される価値観も少しずつ変化し始めています。またDXの取り組みが生活に与えるインパクトも無視できません。水資源の保全と循環を通して社会を見つめ、これらのテーマにしっかりと取り組んでいきます。
我々の生活を支え、時には計り知れない影響を与える「水」を通じて、次の時代の社会を支える仕組みを創造していく、新たなステージを目指す水ingの取り組みに、私たちと一緒に挑戦してくれる仲間を心から歓迎します。
COMPANY